「ねぇ、リク。月がまん丸だ!」
「ああ、今日は十五夜か。」
「きれいだな!」
「そういやソラは昔から月好きだったもんな。」
「へ?」
「覚えてないか?お前小さい頃、『お月様が欲しい』なんて言い出してさ。大変だったんだぞ?」
「ちっ、小さいときの話だろ!」
「どんなに説得しても泣き止まなくてさ。俺は一生懸命考えたんだぜ。」
「それでどうしたの?」
「バケツにさ、海に映ってた月を入れたんだ。もちろんそんな事できるはずないから、
バケツの水にも月が映ってたってだけの話だけどな。それでもソラはすごく喜んで…」
満面の笑みで“ありがとう”っていったんだ。
「ああ、もしかしてあのバケツって…」
「ん?」
「うちにあるんだ。小さい赤いバケツ。ずっと何だろうって思ってたけど、リクがくれたヤツなんだぁ。」
「ありがと!」
「…!///」
にっこり笑ったキミの顔は昔と変わらなくて
cry for the moon
ないものねだり…
キミのどんなワガママだって俺が叶えてあげる。
キミの“ありがとう”が聞きたいから。
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